Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉




...と、元気よく返事したものの。


30分後の私は、やっぱりバイクで行くべきだったと後悔した。




「ヤバッ、あの人超イケメン!!」


「写メ撮ろ写メ!!SNSに上げなきゃ!!」




日曜の昼前。


電車はそれなりに混んでいて、私たちのようにこれから遊びに行く女子たちもいっぱい。


ドアの付近、私の隣に立つ蓮央は、もちろん注目されてしまうわけで。


鳴り止まないシャッター音に、私はイライラしていた。


私の蓮央を撮らないでほしい...。


てかSNSに上げるって何?

常識の範囲外でしょ、さすがに。


堂々と盗撮する女子たちを睨むと、向こうも私を睨んできた。




「は、何あの女。ちょー睨んでんだけど」


「あの人の彼女じゃないの?隣にいるしさ」


「...ムカつく。釣り合わねーんだよ、ブス」




あのー、聞こえてますけど?


なんで見ず知らずのアンタらにそんなこと言われなきゃならないんですか。


私が可愛くないことくらい自覚してます。


だけど、悪口しか言えないあなた達よりはマシだと思います!!


プイッと顔を逸らすと、次は目の前で携帯を構えている男の子たちが目に入った。




「やべぇ...。
国宝級どころか、もはや世界遺産級...」


「早く動画撮れって、せっかくこっち向いてんだから」


「あ、あぁ。永久保存するわ」




わぁ...

蓮央って男からも人気なんだね。


男も女も虜にする美貌...みたいな?


羨ましい...。

私にも少し分けて欲しいよ。


窓に映る自分の顔が残念でならない。



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