Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉



はぁ...とため息をつくと、それまで横にいた蓮央が、突然私の前に移動してきた。


後ろにはドア、前には蓮央。


その2つに挟まれる格好になる。


蓮央を見上げると、なぜか男たちのほうを睨みつけていた。




「...見てんじゃねぇよ」




殺気を放ちながら低い声でそう言った蓮央。


携帯を構えていた男たちは慌てて目をそらし、下を向いてしまった。


...やっぱり、嫌だったのかな?

男に写真撮られるのは、さすがの蓮央でも抵抗があったのか。


それにしてもひどい言い方だった...。




「蓮央、もう少し言い方っていうものが...」


「人の女を撮られてんのにムカつかないわけないだろ。あれが妥当だ」


「ひとのおんな...?」




何言ってるんだろ?

撮られてたのは蓮央なのにさ。


ていうか人の女って誰?


首を傾げる私に視線を落とし、蓮央は深々とため息をついた。




「...気付かねぇのかよ、バカ」


「え?バカ?」


「なんでもねーよ。
とにかく、無防備に顔面さらすのやめろ。
周りに悪影響だから」


「ひ、ひどい...」




そこまでけなさなくてもいいじゃん!!


バカとか悪影響とか、ひどすぎ!!


ほんとに言葉の選び方を考えてほしいよ!!


せっかくオシャレして来たのに、そんなに言われたら悲しいよ...。


ムッとして唇を尖らせたところで、降りる駅に着いた。


蓮央が私の手を取る。




「はぐれんなよ、咲誇」


「...子供じゃないんだから。迷子になんてならないし、手は離していいよ」


「はぁ?
そうじゃなくて、誰かにお前を奪われねぇように繋いでんだろーが」




...こんなに怒ってても、結局ドキドキさせられるから悔しい。


私は奪われたりなんかしないのに。



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