Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
○○ランドは駅から徒歩10分のところにあった。
休日だから、家族連れの人たちでごった返している。
それでも、入口から流れてくる音楽が私の心を高ぶらせた。
「すごいすごい!!蓮央、早く行こ!!」
「その前に入場券買わないといけないだろ」
「え〜...。私、早く行きたいのに...」
「すぐ済むから、我慢な」
入場券を買うのに並んでいる間も、早く入りたくてうずうずしてる私。
子供の頃に一回だけ、遊園地に連れて行ってもらったことがある。
お母さんと一緒に観覧車に乗った記憶しかないけど、そこから見た綺麗な夜景がすごく印象的だった。
それがお母さんとの最後の思い出。
そして今日は、蓮央との思い出を作る。
「咲誇、入場券買ったけど...」
「じゃあ早く入ろうよ!」
「いや、そうじゃなくて。
俺、スタッフに呼ばれて、事務所に行かなきゃならねぇんだよ」
「えー!?なんで!?」
「なんかパレードがどーのこーのって。
だから先行って並んでてくれよ」
「...わかった。早く戻ってきてね?」
「あぁ。終わったら電話する」
せっかくの初デートなのに...。
でも少し待てば戻ってくるんだから、それなら待つしかないよね。
パレードって言うのが気になるけど。
さて、最初はどれに乗ろうかな?
遊園地のパンフレットを開くと、思ったよりたくさんの乗り物があった。
蓮央って絶叫系は平気なのかな?
何が好きで何が嫌いか分かんないや。
あ、お化け屋敷とかいいかも。
あとで連れて行こう。