Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
殴りたくなる衝動を噛み殺し、必死に耐えていると。
「はいはい、兄さんたち。そこで終了〜」
そんな声がするとともに、私の両手が自由になった。
後ろに誰かが立っている。
このヤンキーたちではない、誰かが。
「いってぇな!!離しやがれ!!」
左右にいたヤンキーたちの顔が苦痛に歪んだ。
どうやら手をひねりあげられてるみたい。
「離してもいいけど、もう二度とこの子に構うなよ?」
「...クソッ、分かったよ!!」
「おし、じゃあ解放」
自由の身になったヤンキーたちは、人混みに紛れて消えていった。
助かった...。
自分でボコボコにする手間が省けた。
振り返った私は、助けてくれた人に頭を下げた。
「あの、ありがとうございました」
「あぁ、いーよいーよ。気にすんな」
...あれ?
ちょっと待って。
この声、もしかして...
「...ん?
お前、よく見たら本田咲誇じゃね?」
クシャリとセットされた、黒髪に紫メッシュの髪の毛。
ジャラジャラしたアクセサリー。
...二階堂、だ。