Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
「俺の女に触んないでくれます?」
低すぎず、高すぎない、滑らかな声が聞こえて。
私の肩は誰かに引き寄せられた。
...誰が、誰の女だって?
そう思いながら見上げると、1人の男が立っていて。
...その男は何もかもが美しかった。
筋の通った鼻も、凛々しい目付きも、シャープな顎のラインも。
何より目を引いたのは、それはそれは綺麗な青い色の髪だった。
「な、何だよ君は...!!」
「それはこっちのセリフ。
人の女捕まえてホテル連れ込もうとか、あんた正気?」
「っ...」
男が睨みつけると、オジサンはそそくさと退散していった。
...わぉ。
すごーい。
とりあえず、貞操の危機は守ってくれた。
それはありがたいけど、いい加減その手を離してもらえますかね?
密着状態なんだけど。
「...お前、なにしてんの?」
男の手から逃れようと身をよじっていたらそんな声が聞こえて、また見上げた。
鋭い目が私を見ている。
でも、どこか温かさがある、そんな目だった。
「なにって、この腕から逃げようとしてんの」
「俺が助けてやったのに?」
「私、男が...っていうか、人間が嫌いだから。あまり触りたくない」
「人間が嫌い...?」
「そう。分かったなら、離してくんない?」