Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
振り解こうする私の手首を掴んだまま、すたすた歩き出す青髪の男。
え、何?
どこに連れてく気?
いや、そんなのどうでもいい。
この男がどこに行くのかなんて興味無い。
とにかく私はコイツから離れたい。
「離してってば」
「嫌だね」
「今すぐ離さないと殴るよ」
「女がそんなこと言うな」
...はぁ。
口で言っても意味は無い...か。
なら、実力行使かな。
男が前を向いている隙に、その脇腹に蹴りでも入れて逃げてしまおう。
そう思い、無言で足で蹴り上げた。
...が。
「あーダメダメ。バレてるから」
それは呆気なくよけられ、手を引かれている私は、そのせいで身体のバランスが崩れた。
身体が左に傾き、男に寄り掛かる格好になる。
...人の体温を感じる。
翠斗に抱きしめられていたときと同じ。
───裏切り者は消えろ
そう言った彼と、同じ体温。
...離れなくてはいけない。
泣きそうに、なってしまうから。