Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
そこまで考えて、ふと思った。
そういえば私、住む場所に困ってる。
今はお金があるとはいえ、いつか無くなるのは目に見えてることだし。
なら...この男の家に居候したほうがいいんじゃ?
見た感じ私に手を出す気は無さそうだし、もし何かしてきたら返り討ちにすればいい。
意外といい案かもしれない。
「それに本田だって勝手に外泊したら...」
「別にいいよ」
「は?」
蓮央を説得していた圭太を遮ると、彼は拍子抜けした顔で振り向いた。
まさか私がOKするだなんて思ってもみなかったんだろう。
「私、そいつの家に住んでもいいよ」
「いいのか!?だってお前、親は...」
「いい。そんなのもういないから」
「......」
まぁ、父親〝だった〟人はいるけど。
私もアイツも、今では互いを家族だなんて思ってない。
お母さんが死んでしまった日から、私たちは赤の他人になったから。