Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
私の一言によってその場がシーンとしてしまい、しまったと思った。
まるで私が『家庭事情に問題のある可哀想な子です宣言をした人』みたいになってる。
別に同情してほしいわけでもないし、話を聞いてほしいわけでもない。
ちょっと口が滑りすぎた。
「さっきのはあまり気にしないで。
今は家出してて、帰れないってことだから」
「...そうか」
「うん。
...で、今からあんたの家に行くんでしょ?」
「あぁ。バイク取ってくるから待ってろ」
そう言い残し、蓮央は幹部室を出て行った。
バイクで来てるんだ。
彼が何歳かは知らないけど、無免許ではないことを祈ってる。
「...はぁ。まさか蓮央があんな提案するなんて、予想外すぎて驚きだ」
「なんで?あいつ顔もいいし、家に女を連れ込むなんて日常茶飯事でしょ?
圭太が驚くことないんじゃない?」
「...ま、それが普通の考えだよな」
「は?」
「蓮央は...少なくとも俺と知り合ってから、女を家にあげたことはおろか、女と遊んだことすら無い。
だから今回の提案は俺も予想外だったんだ」
「...ふぅん」
それなのに私にあんなこと言ったんだ。
もしかして、蓮央は私が家無しなのに気付いていた?
困ってる人を放っておけない性格なの?
...深く考えるだけ無駄か。
真意は蓮央にしか分からないんだから。