Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
「ほら、どうすんの〜?
反抗しないと連れてっちゃうよ〜?」
手を掴まれても、肩を抱かれても。
コイツらだと気持ち悪いとしか思わない。
これが、蓮央なら。
絶対にそう思うことはないのに。
...この際、仕方ない。
口で言って分からないおバカさんには、実力行使で分からせるしかないよね。
右の拳に力を込めた、そのとき。
「...咲誇?」
聞き慣れたあの声がして。
その方角を見ると、黒いキャップをかぶった蓮央がいた。
彼は、私と目の前の男を交互に見た後、いぶかしげに眉をひそめて近付いてきた。
ギャル集団が「きゃあ」と声を上げる。
それを無視し、蓮央は男たちとギャルをまとめて睨みつけた。
「そいつ、俺のなんですけど。アンタら何してんですか?」
「は、はぁ...?てめぇ、コイツのツレか?」
「...そうだっつってんだろ。その手、ムカつくからどうにかしろ」
その手とは、この手だろうか。
私の逃げ場を奪っている、邪魔なコレ。
怯んだ男が手を自販機から離すと、すかさず蓮央に腕を掴まれ、引き寄せられる。
さっきまでの不快感はどこへやら。
むしろ、安心できた。
彼のあたたかさが、すごく心強い。