Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
蓮央の視線は、ギャル集団の1人が持つ缶コーヒーに移動。
そして、私の出しっぱなしの財布を見る。
数秒間考えたあと、何かを悟ったように口を開いた。
「...間違ってたら悪いんだけどさ。
コイツの金で買ったんじゃねーの、それ」
「な、何を根拠にそんなこと言うのよ!!」
「根拠?言おうか?
財布は開いて金を出した痕跡はあるのに、コイツは何も持ってない。で、見た感じ後に来たお前らが、キンキンに冷えたコーヒーを1本だけ持ってる。
...さて、これらが示すことは何でしょう?」
「っ、...!!」
ズバリと言い当てられ、何も言えないギャルたち。
彼の名推理に、私もびっくりした。
すごい...
蓮央ってやっぱり、頭脳派?
言い訳できない状況になり、悔しそうに顔を歪めたギャルは、缶コーヒーを蓮央に投げつけた。
もちろん見事にキャッチ。
「ふんっ!!返すわよっ、バーカ!!」
「金を返して欲しかったんですけど」
「そんなモン持ってないわよ、バーカ!!」
バカしか言えないのか、この人...。
もっとあるでしょ、いい感じの罵倒が。
男たちとギャル集団は、ぷりぷりと怒りながら森の奥に消えていった。