すっぴん恋愛【バレンタインデー】
竜哉は持っていた箱をテーブルに置いて、雪菜を引き寄せる。

突然のことに雪菜は持っていたバッグを床に落としてしまう。


「竜哉?」


至近距離にある竜哉の顔を見上げる。


「お願いだから、俺以外の男を見ないで」

「それは、難しいと思う」

「何でだよ?」


無茶な要求を言っているというのに頷かない雪菜に竜哉は不機嫌な声を出す。


「もしかして、妬いてる?」

「もしかしなくても妬いている。雪菜が好きだから、当然だろ」

「うん、私も竜哉が好き」


大好きな彼女からの愛の言葉に微笑んだ竜哉は、雪菜の顎に手を当てた。

上を向かされた雪菜は目を閉じる、竜哉もゆっくりと目を閉じながら、顔を近付けた。

そして、唇を重ねる。

触れるだけのキスでは終わらない。

もっと。

何度か角度を変えて、甘く深くさせていく。深いキスに雪菜の脳内はとろけて、体は力が抜けていく。
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