ハルナイロ
 

長めの春休みが終わり、入学式当日



ピロリンピロリンピロリン♪♪




目覚まし時計が部屋に鳴り響き、私は眠い目を擦りながら制服へと着替えた。




芸能学部とあって、制服は可愛い




鏡の前でニヤニヤしながら身支度を済ませ、顔を洗い歯磨きして食卓へと急いだ




朝のおはよう儀式をすませ、ご飯をかきこみ、玄関へ行くと後ろからママが来て言う




「榛名ちゃん、いってらっしゃい」



私はいってきまーすと手を振りながら家を出た。




私も内心では、そろそろ「ちゃん」は不味いだろうと思いつつも言い出せないのである




そうこう考えている内にスクールバスのバス停に着き、バスに乗って高鳴る胸を抑えつつ高校へと足を運んだ。




芸能学部とあって、美男美女が集まっていたが、予想はしていた為気に留めなかった




私にはそれよりも…、「あ!おはよう!」




ふっふっふ、実はね諸君!なんと親友の彩が、同じ高校に進学したのだよ!!!




「あ!榛名!おはよう!遅刻しなかったん  
 だねー」




私は口を尖らせながら言った



「いつも遅刻してるみたいに言うなーー」




こんな感じで合流できた私達は掲示板を見に、正面入り口の場所へと歩きだした




人だかりの中で跳びはねながらなんとか見えたものは、衝撃的なものだった




入学おめでとう、クラスについては、入学式で……?ふぉ!?



二人で取り敢えず、指定されたロッカーに荷物を置いて、入学式を迎えた




一段落して、校長先生のお話が始まった。綺麗な淑女的な感じのおばさまである




「入学おめでとうみなさん、さて、皆さんお待ちかねのクラスについてですが…」



はいはい…待っておりますとも♪




「明日、演技、歌、ダンスの三項目のテストを行いますわ。能力に応じてクラスを分けます。ですから頑張って下さいね」




ザワザワザワと新入生達がざわめく中で私はもう呆然ですよ




なんてこったーーー!(泣)




帰りがけに、テストの時間表と内容、出席番号の書かれた冊子を渡され、親友の彩とバス停の前で別れた




バスから降りて家へと歩くが、足取りは重く、ため息がこぼれる




すると、帰る途中で大きなお屋敷の門の前でふと立ち止まった




おっきなお屋敷だなーと眺めていると、後ろから誰かの声が聞こえた




「邪魔だ、どけ。」
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