ハルナイロ


「あ、ごめんなさい!!」




瞬間的に謝ってしまったが、そんな言い方しなくてもいいじゃないか?!




そう思った榛名はすぐに後ろを振り返って文句を言ってやろうかと意気込んだ




しかし、その男はスイッと横を通りすぎ、あろうことか、門が開いて中へと入っていったではないか!




「なんなのあいつーーーーーー!」




私は思わず叫んでいた





ムカムカしながら家まで歩いて、自室へと戻ると、そんな男の事はとうに忘れていた




今の榛名にはそんなことよりも、明日に行なわれるテストの事で、頭がいっぱいになっていたのである




必死に練習している内に、雀の鳴く声が聞こえると、一睡もせずに朝を迎えてしまっていた事を思い知った




「うわーーー……もう…朝?!」





あぁ…やってしまった…取り敢えず学校いかなきゃ!!




すぐに身支度を済ませ食事をし、学校へとフラフラ登校した




一日を通して行われた試験は、とても苛酷だったが、なんとか終えた。




疲れたけどなんだか楽しかったな




私にとっての夢の第一歩だから…



この高校は、クラス分けがされると、そのクラスごとに宿舎が別れ、そこで生活をし、実力に応じた教育が施される




5クラスに別れていて、一番実力者が集まるAクラスから下のEクラスまで、宿舎の大きさ、待遇が全然違う




卒業時に、成績の良い上位6名のみ、芸能事務所と契約ができるのである
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