君にあずけたもの
(耳 が 痛い…)
耳の痛さで
目が覚める
少し ボンヤリ
ピントが合わない
(そこで 泣いてるのは お母さん?)
小さな背中を丸めて
ソファーにもたれかかる母の姿がみえる。
(なんで ないてるの?なにがあったの?)
お母さ…ん?…
(こ…声がでない!)
どこも痛みがあるわけじゃないのに、私の声は一言も初声ない…
(な…なんで?)
『幽体離脱って
やつだよ』
(え…?だれ?)
振り返ると
そこには、栗色のきれいな髪と長いマツゲとクリッとした瞳が印象的な男の子がいた
『ビックリしたか?』
そりゃビックリするに決まってんじゃん?
「は…あ
うん。」
(あれ?
声でる!)
『そりゃーでるさ』
「え?私何も言ってないけど…」
『そうだったね
なんとなくそう思ったかな?って思ってさ』
(変な人…
あんまり関わらないでいこっと)
『寂しいなぁ』
(まただ!
この人超能力者?)
私の気持ちが読まれている気がした。
(それより お母さんの方が心配)
母の近くに寄り、
母を抱きしめようとした。 ―その時―
『ダメ触んな』
「え」