君にあずけたもの
「勿論、死神には何もかもお見通しなんだよね?」

要を 精一杯の平常心を装って見つめた。


『顔、ヒキツッテルよ』……


な…なによ!
人がせっかく変な空気にならないようにしてるのに!

『無理するなよ』


え…

今まで聞いたことのないような優しい声だった。


「無理なんか…別に」

『してるよ』


「…」


沈黙が続いた。


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