たった一つの勘違いなら。
5章 嫉妬の余寒
1月の終わりにようやく確定した契約書をお届けに行くと、富樫課長は自席にいらっしゃらなかった。
営業事務の女性に確認してみると、確かにスケジュールは空いてるみたいと言われる。
「でもあまり席にはいらっしゃらないんですよね、いつも」
そう言われて次は内線で確認してから来ようと思ったところに、西山さんが声をかけてくれた。
「さっき偉い感じの方に捕まってましたよ。書類なら預かっておきますか?」
「ありがとうございます。でも法務の書類は手渡し基本なんです」
「橋本、こいつ俺らの1年下だし子会社から来てるから敬語使うことないよ」
隣の高橋くんも声をかけてくるけれど、指をさして指摘する。
「モラハラ案件。年次はともかく出身は関係ないでしょ」
「はいはい、すいませんでした。課長戻ってきたら内線入れてやるから許してください」
棒読みの謝罪に一応お礼を言って立ち去ろうとしたら、なぜか追いかけて来た。
営業事務の女性に確認してみると、確かにスケジュールは空いてるみたいと言われる。
「でもあまり席にはいらっしゃらないんですよね、いつも」
そう言われて次は内線で確認してから来ようと思ったところに、西山さんが声をかけてくれた。
「さっき偉い感じの方に捕まってましたよ。書類なら預かっておきますか?」
「ありがとうございます。でも法務の書類は手渡し基本なんです」
「橋本、こいつ俺らの1年下だし子会社から来てるから敬語使うことないよ」
隣の高橋くんも声をかけてくるけれど、指をさして指摘する。
「モラハラ案件。年次はともかく出身は関係ないでしょ」
「はいはい、すいませんでした。課長戻ってきたら内線入れてやるから許してください」
棒読みの謝罪に一応お礼を言って立ち去ろうとしたら、なぜか追いかけて来た。