君がどんなに振り向かなくても好きだよ

「ッ……」



「ううん、もう怒ってないから大丈夫だよ」



び、びっくりした



いきなり間抜けな面から微笑んだ顔になるんだもん



不覚にもドキッて来てしまった



さすがイケメンパワー



ていうかこの人、さっきから見てたけど外見と性格が全然違う気がする



チャラ男なのに、王子様だ



爽やかな王子様だ



うんうん



すごいなあ



チャラ男のくせに性格が王子



すごく変わった性格してるなぁ



きっとこの人をネタにしたら面白そう



─︎─︎─︎─︎─︎─︎─︎─︎─︎─︎……、、、あ。



「そうだ！そうだったんだ！」



「えっ！？」


思わず大きい声を出してしまったのでチャラ男がビクッと肩を揺らしながらこっちをガン見する



私はそんなこと御構い無しにもう一度チャラ男に近づいた



「ねえ、あなたをネタにしたいんだけどいい？」


「…え？」


訳がわからない顔をしている男



そりゃあそうだ


いきなりそんなこと言われたらなんのことかわからない



「あぁ、ごめんごめん。私、一応漫画家であと1週間後が締め切りだというのにまだ新連載に出す原稿、というか物語をかけてないんだよね。そこであんたをネタに描いてみようと思って…どう？ちなみに報酬はあんたの欲しいものでいいよ」



「…漫画家？」



「うん」



「え、漫画家って物語を絵で描いて人々に見てもらう仕事だよね？」



「うん」



「え、マンガカ？」



「うん。」



なんで片言？



「ちょ、ちょっと待って、頭整理さして」


そう言って手で自分の顔を覆い下を向いている



そんな混乱することなの？