君がどんなに振り向かなくても好きだよ
俺がそう言うと、彼女はみるみる顔を明るくして


「ありがとう!本当にありがとう!」



まぁ、明るいって言っても真顔だけど



「それで、早速質問なんだけど…普段えっ〜と……ごめん、名前なんていうの?」



あぁ、言ってなかったっけ



「三国濱、はまって呼んでもいいよ」
「却下。」


はやっ!?


即答!?



なんかショックだ


「それで、三国は普段家でどんな生活してんの?やっぱり女の子と遊んだりするわけ?」



「あぁ〜、俺そういう家に連れ込むのはちょっと。ていうか、俺今住むところないんだ」


「え…」


お、珍しく驚いてる



まぁ、そりゃあそうか



俺も彼女とおんなじ反応すると思うし



ん?


そういえば



「君名前なんていうの?」



「あぁごめん、いうの忘れてた。私の名前は立花 智世(たちばなちよ)。それで帰る場所ないって、家がないってこと?」


智世ちゃんって言うのかぁ



「あはは、そうなんだよね。もともと一人暮らししていたんだけど、ちょっと遊びすぎて気付いた時には大家さんに追い出されて帰る場所がなかったんだよねあははは」


「ゲスだな。本物のゲスがここにいる」


グサっ


結構心にくる


ははは、泣きそうになってくるのはなんでかな


なんだろう



あぁ、そうか




こんなにはっきり言われたことなかったからか



「なにそんなに泣きそうな顔してんの気色悪い。」



「あの、そんなにはっきり言わないで傷つくから」



「なんで?チャラ男なのに?」



なぜそこでチャラ男?



「まぁ、いいや。それより、私の家に来る?」












「え…?」



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