君がどんなに振り向かなくても好きだよ
「なんでもないんだよぉ。よしよし」



「その頭なでなでするのやめてくれる?幼い子供に見えるから」



鬱陶しそうになでなでしている手をどかそうとしている智世ちゃん



妹かぁ〜



そういえば俺、兄しかいないからなぁ




実際もってみると結構いいもんだなぁ妹って




「うんうん」



「いや、だから離してってば!」




「あぁ、ごめんね。じゃあ俺はソファーで座って待ってるから」



妹って可愛いもんなんだなぁ



ランラン気分でソファーに向かう俺を見た智世ちゃんは…




「変な人…」とぼそりと呟いていた



その時の智世ちゃんはいつも真顔でいる智世ちゃんでもなく眉間にしわ寄せている智世ちゃんでもなく作り笑いする智世ちゃんでもない自然な微笑みだったのだが、俺はその貴重な姿を見ることなくソファーへと座った
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