君がどんなに振り向かなくても好きだよ
ピピピ…ピピピ…



朝の合図はいつも携帯のアラームで始まる




俺はうつろうつろになりながらもスマホのホームボタンを押してゆっくりと起き上がった



部屋は朝の光が直接入ってきて結構眩しく目を細めながら見慣れない部屋を見て今の状況を確認する




あれ?




ここどこだっけ?





今度は誰の家に来たんだろう




寝起きでうまく頭が回らない脳でびっしりフル回転させる



ハッ!




そういえば昨日から俺ここで居候してるんだった!




そんなことを考えると寝起きだった脳は一気に目覚めることになった




けれど…




「…。」




なんか実感ないなぁ




昨日だけで少なくとも半年分のイベントをした気分




まぁ、結構楽しかったんだけどね




さて、そろそろ学校行こうかな




と、その前に




「お腹空いた」




冷蔵庫になんかあったっけ?



とりあえず一階まで降りよう




そう思い寝室を出て下へと階段を降りる



それにしても結構でかい家だよね



ここ3階なのに一階のリビングが階段から見えるっていうのが高級住宅地で暮らしてる感じ



それなのに家族はこの家に誰もいないみたいだし



一人暮らしって言ってたけど、この家…




智世ちゃんが買ったのかな








あははは、な訳ないか



その後冷蔵庫になぜか入ってあった手作りのグラタン?があったのでそれを食べて学校に行くことにした



キーンコーンカーンコーン…




「キャーーー!!!」


「濱くん、こっち向いて!!!」


「すきーーーー!!!!!!」



やっぱり女の子は可愛いなぁ



いつも自分を可愛くするために磨いてるからか、日が重なるにつれ可愛くなっていくんだもん



「キャーーーーーーー!!!!半助くんかっこいい!!!」



ん?



後ろから黄色い声が聞こえると思えば、案の定飯田がいた



相変わらずモテるなぁ



なんて思っていると飯田と目が合い、俺の方へを向かって来た



そして、何故か呆れ気味で言う



「相変わらず、お前モテてんな」



「あはは…その言葉そっくり返すよ」



「キャーーーーーーーー飯田くん〜!!!」
「こっち向いて半助くん!!」
「クールな半助くん素敵!!!!!」


…飯田よりはマシだと思うけど


「そりゃあそうだろ。」



「?」


なにが?



「お前、女と一線引いてるところあるじゃねえか」



「そう?俺はそんなつもりないんだけどなぁ」



「自覚なしか…」



「半助くぅん、これから私と遊ばない」



あ、結構な美人さんだなぁ



「じゃあ、俺用事あるから」


「あ、うん。じゃあね」



一線…かぁ…



言われてみればそうかも


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