君がどんなに振り向かなくても好きだよ
その後、店長が店に入って来ると同時にバイトは終わりあたりは少し薄暗くなっていた


家への帰り道


張り切っていてパンパンになっていた心は今では完全にしぼんでいる



きっと、もう二度とこんな機会はないだろうと思う



そんな落ちこぼれた気持ちを紛らわそうと携帯を取り出し〇〇ちゃんに電話する


「はぁい、濱くん?」


「あ、〇〇ちゃん?今日これから会わない?デートしたいなぁ」


「ほんと!?やったぁー、いくいく。……ねえ、そろそろさ私たち付きあったりとかしない?」


またか


俺は誰のものにもなったりしない



確かに女の子たちにはデートとばかり言っているけど彼氏になったことは一度もない



ただただ、女の子が俺を見てくれるのが好きなだけ


そういうのが趣味なんだ


決して恋をしたわけではない


決して彼氏になった覚えもない


「ごめんね、俺そういうのめんどいから嫌いなんだ。」


友達だった女の子が彼女になるといきなりあの子と会うなとか女の子の連絡は消せだの色々とうるさい


俺は付き合ったことはないけど、聴いててめんどくさそうだから



だからこう言うことを言われたときはいつも



「ごめん、俺やっぱこのあと用事できたからさっきの約束なしにさせて。それじゃ」



「え、あっちょっ…」


ツーツー…


会わないようにしている



これは絶対だ


あの子も



「っ……!?」









なんであの子が目の前にいるの?

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