南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )
「……森坂?」
そんな私たちに聞こえてきたのは、明らかに訝しげに放たれた私の名前。
「え?」
思わず、抱き合っていた茉央ちゃんと離れ、声の方へと視線を向ける。
「やっぱり森坂だ。……アホみたいな声がすると思ったんだよ」
「た、瀧!?なんでここに……」
「コーヒー、テイクアウトしに寄ったら、騒がしいのがいるな〜って。そしたらお前だった」
「よ、よりによって、瀧に会うなんて。今日、占い最下位だよ絶対……」
最悪だ。
よりによって、このタイミングで瀧に会うなんて。
絶対、バカにされる!
また泣いてんのかよって……言われる。
「お前な!!俺の事なんだと思ってんだよ」
「そんなの決まってるじゃん!疫病神!!」
「んっとに可愛くねぇ!って、ん?……なに?お前、また泣いてんの?」
ほらキタ!!
……こういうことには無駄によく気が付くんだから。
その才能、もっと別のことに使ってよね!