南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )
だって、嬉しい。
瀬那が初めて自分で興味を持って進みたいと思えた道がこうして花開いたんだから。
これでも静かに喜んでる方だよ!?
「お祝いしなくちゃ!!瀬那の合格祝い!!2人だけじゃ賑やかさにかけるから瀬那の家族みんな呼んで、あと、それから」
「俺たちの結婚祝いもしないとな」
「……っ、え」
頭の中では、お祝いのメニューを考え始めていた私。
チキンは瀬那ママにお願いして、私は最近覚えたミートグラタンでも作ろうかな……なんて。
……なんて、思ってたのに。
急に真剣な顔で見つめられて、思考はショート。
「佑麻」
優しく名前を呼ぶ声に
「試験に合格したら、迎えに行こうって決めてた。電話で声聞いたり連絡取ったりしたら、会いたくなるのも分かってたから、しなかった。待たせてごめん」
涙を我慢するなんて、無理だった。
急に幸せすぎて、胸がいっぱいで、苦しくて……。
「俺の幸せのために、俺が佑麻を幸せにする権利をください。一回きりの人生なら俺は死ぬまで、佑麻と一緒にいたい」
ただ、ひたすらに、私は目の前にいるこの人を、瀬那のことを心から愛していると思った。
「俺と、結婚して下さい」
「……っ、う……」
「泣くなよ、バカ。返事は?」
二度目のプロポーズ。
……答えなんて、聞かなくたって分かるくせに。
「……大好き!!」
抱きつく私を受け止めてくれた瀬那は「返事になってねぇよ」なんて呆れて笑いながら、もう一度、私に触れるだけのキスをくれた。