南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )
「もし、高校生だった私が、冷酷大魔王と言っても過言ではなかった瀬那に頑張って思いを伝え続けてなかったら、今ごろ別々の道を歩いてたわけだけど」
「なに、急に」
「冷たくて、人の事ちょっと見下してて、絶対に攻略不可能だって言われてた南瀬那を旦那にすることが出来た私って、改めてウルトラ最強ガールじゃない?」
「俺、そんな言われようだったのかよ」
「ふふ……でも、本当。私ってば、瀬那の花嫁になれて幸せすぎる人生だな」
みんなからのおめでとうに笑顔全開の私と、隣で澄ました顔の瀬那。
相変わらず、瀬那のクールは健在だ。
こんな時くらい笑えばいいのに。
瀬那らしいけどさ!
「……多分、同じ道歩いてたよ」
「え?」
フラワーシャワーが終わりを迎え、目の前に用意されている2つの風船。
その1つを私に手渡しながら、瀬那が今日1番の優しい顔をするからつい見惚れてしまう。
「多分、佑麻が俺を諦めようとする度に、俺のこと諦められないようにズルいことしたと思う」
「……ん?どういう意味?」
「……お前が底なしのバカだってこと忘れてた」