南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )
今、サラッとひどいこと言われた気がするのは……気のせいではないはず。
結婚式なのに。
ウエディングなのに。
私、花嫁なのに!!!
「だから!」
「酷いよ!こんな日までバカなんてぇ!」
何か言いかけた瀬那にかぶせて、私の抗議が響いたとき、司会者の声がマイクを通して聴こえてきた。
「それでは皆さま!お手元に風船は行き渡りましたでしょうか?今から皆さまには、新郎新婦と共に、バルーンリリースをしていただきます!」
振り返ればみんなの手元に色とりどりの風船がゆらゆらと風を受けながら浮かんでいた。
「バルーンリリースと言うのは新郎新婦とゲストが一斉に空に向かって風船を飛ばすものなのですが、今後新婚生活を迎える新郎新婦の幸せが空高く舞い上がるバルーンのように天高くまで届くようにとの意味が込められています」
そんな説明を聞きながら、ちょっとだけふくれ面で瀬那を見れば、やっぱり瀬那は「はぁ」と面倒くさそうにため息。