南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )
「……ちょ、落ち着いて?」
「……?私は至って落ち着いてるわよ。まさか佑麻のタイプが瀧だったなんて意外だったけど言われてみたらお似合いだよね〜」
『似た者同士って感じ』そう続けてニコリと微笑む和葉ちゃんには、もちろん冗談の欠片も感じない。
……悪気も全く感じない。
心からそう思ってるみたいな顔して、なんなら私と瀧に祝福の言葉すら述べそうな勢いだ。
「やだ!!!やめてよ!!!私は瀧と付き合ってないからね!?とんだ勘違いだよ、それ」
次の講義までの休み時間。
周りにはちらほら席に座っている生徒達がいて、大声を出した私は一斉に視線を集めることになってしまったけれど、
でも!!だって!!!
違うもんは違うんだもん。
ましてや私にはナイスルッキングガイなウルトラ超絶最高な婚約者までいるってのに、
そんな噂ったらないよ。
「え?違うの?」
「ちっっがうよ!なんで私が瀧なんかと!」
顔の前でブンブン両手を必死に振ってアピールする私に『えー、つまんない』と明らかにしょぼくれた和葉ちゃん。
つまってたまるか!!!
てか、そんな噂がもし瀬那の耳に入ったら??
え、私もしかして今……婚約解消の危機?!
何も悪いことしてないのに、もしこの噂が瀬那に知れたら私たちの婚約は解消されかねなくない???
浮気女の称号を与えられちゃう!!!
そんなのやだぁあぁあぁ!!!!