南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )
***
「ね!今日のご飯、美味しかった?」
「んー」
「"んー"じゃ分かんないよ!ね、美味しかったですか?旦那様♡♡」
夕飯後、いつものように瀬那の部屋。
やっぱり机に向かって勉強を始めてしまった瀬那に、いつもならその背中を大人しく見つめているだけの私も、今日は違う!
だって、だって、だって!!!
瀬那のお母さんが驚くくらい、今日は私一人で美味しいご飯を作ってしまったのだから。
ご飯中にも何度も何度も聞いた質問を、懲りずに瀬那な投げつける私。
「…………」
あ、ついに瀬那ってば面倒くさくなってシカトに走りやがった!!!
ただ一言『美味かった』って言ってくれればいいだけなのに、瀬那がくれたご飯への感想は私が1番はじめに聞いた『美味しい?』って質問に対しての『ん』って短い言葉だけ。
1文字だよ???
私、たった1文字で片付けられたの!!!
そんなこと許されると思う?
いや、許されるはずがない!!許さない!!
「もぉ〜!!!」
ギュッと後から瀬那の背中に抱きついて、怒ってます!と頬を膨らませてアピールする。
今日くらい勉強する手を休めて、頑張った婚約者をうんっと甘やかすべきだと思うんですが!