南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )


「べ、勉強の邪魔したくないから帰ろっかな〜って」


やっとの思いで発した私の言葉を完全スルーした瀬那は、後から私を抱きしめると首元に顔を埋めた。


くすぐったくて体をよじれば、動くなと言わんばかりに抱きしめる腕にギュッと力を込められて、



バクバクとうるさい心臓が今にも口から飛び出てしまいそう。



「ちょっとだけ、充電」


「〜〜っ/////」



あぁ、もう!!!!

ドキドキし過ぎて、……瀕死なんですけど。



たまに瀬那は、私の予想を遥かに上回る勢いで甘かったりするから、その度にどうしていいか分からなくて息を吸うのも忘れそうになる。



「せ、瀬那」


「ん?」


「……大好きっ」


何でも卒なくこなす瀬那のことだから、7月の試験に向けて猛勉強中の今だって、確かに忙しそうではあるけれど、瀬那なりにどこか余裕があるんだとばかり思っていた。


だけど、


「……知ってる」



きっと、瀬那は私が思ってたよりずっといっぱいいっぱいで、こうして今、瀬那なりに私に癒しを求めてくれているのかもしれない……。


そう思うと、愛おしすぎて。



「瀬那、毎日お疲れさま」


もっと、瀬那を癒せる存在になりたい。
もっと、瀬那が甘えられる存在でありたい。



やっぱり私の花嫁修業は、まだまだこれからだ。
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