南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )
いや、違う。
毎日、実習先でも講義でも
隣に嫌ってほどいる瀧の暑苦しさで
奏の爽やかさが増し増しに見えるのかも。
「お、奏!久しぶり〜〜!」
「おっす。また森坂いじめて遊んでんのか?」
「は?いじめてねぇよ、可愛がって」
「隙ありっ!!!!」
奏との会話に夢中になっていた瀧の手から、無事 プリンを救出した私はふっふーん♪♪と鼻歌交じりに椅子に座って、食べられてたまるか!とばかりに食前のプリンを頬張る。
「あー!!おい、俺のプリン!」
「私のプリンだもん!」
「この色気より食い気!花より団子!」
ふんっ、何とでも言いやがれ!
今日はプリンの気分だったんだ。
私のプリンを食べたいなんて、瀧ごときが!1億年早くてよ。
「ほんっと、お前ら付き合ったら?」
「私もいつもそう言ってるんだけど」
奏と和葉ちゃんは私と瀧を交互に見ながら、真剣な声色で話ていて、
私は食べていたプリンの味が一瞬で分からなくなった。
「いいと思うけどな〜。佑麻、南 瀬那は実在するようでしないほぼ架空の人物なのよ!」
「南って、あの理学部の南?」
私と和葉ちゃんを交互に見て、奏が驚いた顔をしている。きっと、どーせ奏も無謀だとか言いたいんでしょ。