南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )


「そう!その理学部の南くんを、あろう事か佑麻は好きとか言うの」


「へぇ〜……森坂って実は面食い?そりゃ瀧じゃ満足しないわけだ」



め、面食い!?
……いや、確かに瀬那はビックリするくらいかっこいい。それは私が1番わかってる。


でも、決して瀬那の顔がカッコいいから好き!ってわけじゃない。


どんなに伝えたってどうせ誰も信じてくれないってことは、もう何となく察しがついて


私は1人、悔しさで口をギュッと結んだ。



それに、別に瀧じゃ満足しないとかそういう事じゃない。瀧は意地悪だし、こどもみたいだけど、ちゃんと良い奴だってことくらい分かってる。


そうじゃなきゃこうして一緒にいたりしないし。


だけど、"好き"とか"付き合う"とかそういうのに結びつけるのはおかしいと思う。私から瀧に特別な気持ちがあるわけでもなく、ましてや瀧だってそれは同じことで。


友達として成り立ってる今を、変に周りが騒ぎ立てたせいで拗れた……なんてことは1番いや。



それに何より、誰も信じてくれないけれど私は本当に瀬那の婚約者なんだから。

私の心の中には今も昔もこれからも、瀬那ただ1人!

< 38 / 126 >

この作品をシェア

pagetop