南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )


とは言え。


瀬那が有名すぎるからなのか、私が瀬那と釣り合わなすぎるからなのか。


ここまで瀬那の婚約者だってことを信じてもらえないとは思ってなかったから、正直かなりのダメージを受けてる。


もちろん私が瀬那のことを今になって初めて口にしたってことも大きいんだろうし、私と瀬那が一緒にいる場面をみんなは見たこともないんだろうし。



……信じてもらえなくて、当たり前なのかも。




「……はぁ」



息を吐くと同時に溜息が出て、幸せ逃げた。なんて未だに思っちゃう私は高校時代のまま何も変わってない。


でも瀬那はどんどん大人になって行ってしまう。どうしたら瀬那に相応しい私になれるんだろう。


「私、瀧が嫌とかじゃないよ。ただ……」


「ただ、なんだよ?」


「瀧は嫌じゃないの?」


「……?何が?」


「好きでもない私と、こうやって"付き合えば?"とか簡単に言われるの。瀧だって好きな子くらいいるだろうし、勘違いさせても良くないと思う」



プクッと頬を膨らませて、私としてはかなり真剣に訴えて見たけれど、対する瀧はキョトン顔。


なによ、拍子抜けするじゃん!!!
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