南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )
「ふ、2人とも酷くない?」
「なんだよ、俺はバカとしか言ってねぇのに。自覚あったんだ?」
意地悪な瀬那にグッと言葉に詰まった私は、今完全に墓穴を掘ったらしい。
「……瀬那の意地悪。
てか、そうだ瀬那。何か用事があったんじゃないの?瀬那が大学でわざわざ声かけてくれるなんて」
嬉しくて舞い上がってたり、
意地悪にムッとしたりで忘れてたけど、
そう言えば、そうだよ。
わざわざ瀬那が私に声をかけてくれるなんて、きっと何か大事な用事があったに違いない。
短時間に色々ありすぎて全く状況についていけてない私だけど、ここに来てやっと少し落ち着きを取り戻した。
お昼時の食堂内は相変わらず賑わっている。
「別に。……ただ」
言うか言わまいか、そんな思い切りの悪さを感じる瀬那の言葉に素直にどうしたんだろう?なんて思いながら首を傾げる私。
「ただ?」
───ドキッ
私の質問に言葉を返すよりも先に、サラッと私の髪を撫でてそのまま指を絡ませる瀬那。
一気に体温が上昇したのが自分でも分かるくらい、多分今、私の顔は真っ赤だ。
「俺以外に簡単に触らせてんじゃねぇよ」
「へ……?」
瀬那の言葉にボーッとする頭で考える。