南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )


「あっ、……あれは、別に」


そして思い出したのは、さっきの瀧とのこと。
不覚にもドキッとした、いつもよりどこか真剣な瀧の顔と、優しく髪を撫でる瀧の手。



「たまたま食堂来たら見えたから」


「でも別に簡単に触らせてる訳じゃなくて」


「じゃあ何。そいつだから触らせたってこと?」


"そいつ"と言いながら視線を向ける先には、不機嫌なままの瀧がいて、


別に怒ってるわけではなさそうだけど、いつもよりよく喋る瀬那にタジタジの私は、もうなんて言ったらいいのか分からないまま首を横に振るしかなかった。



「……ヤキモチですか、瀬那くん」



この期に及んで口をついて出た自分の言葉に、言ってしまってから『やばい』と思っても、


やっぱりそんなの後の祭りで。
でもヤキモチなら死ぬほど嬉しいって思ってる自分はやっぱり瀬那が大好きで。


こんな状況でも、瀬那がそばにいる今が猛烈に幸せなんて、私は狂ってんのかもしれないと本気で思う。

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