南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )
「はぁ……隙だらけなんだよ、お前は」
盛大に溜息をついた瀬那に、脳天気な私の頭の中が瀬那にバレた!!と、焦る暇もなく、
───グイッ
一瞬で引き寄せられて気づけば瀬那の腕の中に閉じ込められた私は、
目を閉じることもままならないまま、
瀬那からの優しい触れるだけのキスに目を見開いた。
私と瀬那の様子を興味深そうに伺っていたギャラリーから、『ギャアァア〜!』と悲鳴にも似た黄色い声が飛ぶ。
「せ、せせせせ……!/////」
「俺が妬かないとでも思ったか」
こんなにたくさんの人がいる前で瀬那がキスしてくるなんて誰が予想出来ただろう。
───いや、出来るわけない。
「卒業まで関わんねぇつもりだったのに」
「……え?」
「残念。これで学校中に知れたな」
瀬那の言葉に色々聞きたいことがある。
何で卒業まで関わらないつもりだったの?とか、
学校中に何が知れたの?とか、
「な……っ」
それなのに、私の口はまだ上手く言葉を紡げないまま、金魚みたいにパクパクと空回りしている。
そんな私に不敵に笑った瀬那は、
「佑麻が"俺の"だってこと。と、俺が佑麻にすげぇ惚れてるってこと」
「〜〜っ/////」
なんて、涼しい顔して案外あっさりと答えをくれた。