南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )
「そんな簡単に俺との同棲を喜んでいいのか?」
「え!?なんで……?良いに決まってるじゃん!!」
HAPPYすぎだよ。
毎日、瀬那と2人っきりの時間を満喫出来て、バイバイしなくていいんだもん。
『おかえり』が言えて、『ただいま』が聞ける。
『ただいま』が言えて、『おかえり』が聞ける。
なに、パラダイスなの?
きっともうそれはパラダイスだよ。
「俺と一緒に住むって、どういうことか分かってんの?」
「どういうことって?」
疑問形で投げつけてはみたけれど、私の答えなんてわかってるみたいな顔した瀬那は、澄ました顔してコーヒーを口まで運んで、
「さぁ……身をもって知れば?」
少し危ない響きの言葉を放って意地悪く笑う。
み、身をもって……?!
もう言葉すら出ない私の手の中で、アイスカフェモカはどんどん温くなる。
カランと、音を立てて氷がまた少し溶けたのを合図にハッと意識を取り戻した私は、南 瀬那 相手にちょっとした反撃に出ることにした。