南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )



「佑麻……?」


「あ、瀬那!おはよう!」



お弁当箱のフタをパチンっと閉めたとほぼ同時に、寝起きの掠れた瀬那の声に名前を呼ばれて振り向く。


少しだけ寝癖がついた瀬那の髪を撫でながら微笑めば、嫌がることなく撫でられている瀬那。



同棲を始めて知ったけど、寝起きの瀬那は普段の数十倍は無防備で何をしても怒らない。



「ん、おはよ」


多分、ただの低血圧なんだけど。
そんな瀬那が可愛くって仕方ない!!!私しか知らない瀬那の新しい一面♡♡絶対誰にも教えてやんないの!



「今日は佑麻さん特製、愛妻弁当を作りました♡」


「……なんだそれ、かなり怖い」


「とーっても美味しく出来たんだからっ!期待してていいよ?お昼待ち遠しくなったでしょ?」


「人前で食えない気がしてならない」


「そんなことないない!生徒に混じって食べても大丈夫だよ♡愛は200%注入しておいたから!」


「とりあえず……着替えてくる」



そう、瀬那は昨日からついに私たちの母校で教育実習がスタートした。懐かしい校舎の中で、生徒ではなく先生として過ごすのはどんな気持ちなんだろう。


……あぁ、私も見たい。



先生してる瀬那を、私も机に頬杖ついて見つめたいよぉおぉおおぉお!!!!!
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