南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )



スーツ姿の瀬那をうっとりと見つめて、あぁもう家を出る時間だ!と、悲しくなってきた私に



「さっきから、見すぎ。穴あきそう」


「う"っ」



モーニングコーヒーを口に運んで完全に目が覚めてしまったらしい瀬那は、いつも通りクールな雰囲気をまとっていて、


クールな瀬那ももちろん大好きだし、拝みたいくらいにスーパーかっこいいけど、もう少し可愛い瀬那を見てたかったな……なんて。



「もう出る」


「あ、……もう行っちゃうの?」


「今朝は職員会議があるから、少し早めに出る」


「そうなんだ。……じゃあ、頑張って来てね!」



職員会議だって。
瀬那ってば、本当に先生になるんだ。


瀬那が真剣に先生を目指してるのは知っているのに、こうして話を聞いていてもやっぱりイマイチピンと来ない。



玄関までの道をとぼとぼ歩いて、靴を履く瀬那に寂しさがこみ上げてくる。


あーあ、これから瀬那が向かうのは教育実習。
女子高生たちがわんさかいる校内。


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