南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )






せっかくだし……と、珍しく瀬那が私を連れて中庭までやって来た今、


部外者が校内にいたりして怒られたりしないかな?ってちょっとハラハラしてるけど、ベンチに座った瀬那がお弁当に手をかけたのを見て、


私の意識は一瞬で瀬那へと切り替わった。



「…………お前、これ」


「へへへ」


「人前で開けなくて良かった」



そう言われると思ってましたよ。と、澄ました顔する私の隣で、やっぱり瀬那はハート模様に彩られた桜でんぶのご飯にゾッとしている様子。


その顔が見たかったんだよね。


想像してたよりずっと、血の気が引いてるけど。でも……



「いただきます」


結局、何だかんだ言いながらも瀬那なれ食べてくれるって分かってたから、桜でんぶを振りかける手は1度も止まらなかったよ。


どうだ、まいったか!



「ん、卵焼き……んまい」


「ほんと!?自信作なの、嬉しい♪♪」



瀬那が素直にご飯の感想をくれるなんて、これもきっとお弁当マジック!いや……スクールマジック?!


どうしよう、幸せすぎてこのまま時間が止まればいいのにレベル。
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