南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )



「「「瀬那せんせ〜!!!」」」


そんな平和ボケした私の耳に聞こえてきた声は、一瞬で私の眉間に深い深いシワを作った。


「きゃー!こっち見た!目あった!!」

「やばいって!イケメンすぎない!?」

「っっっ、わ、笑ったぁ〜〜!!!」



2階の窓から体をのり出した女子生徒数名は、瀬那を見つけて黄色い声を轟かせ、それを見た瀬那は軽く手なんか上げて微笑んだ。


……え!?
誰が微笑んだ????



「……瀬那もやっぱり若い子が好きなの?」


「……は?」


「だって!!!瀬那が学生のときは、あんな風に女の子に笑ってるとこなんて見たことなかったのに。と言うか、今ですら、私にですら滅多に微笑んでくれないのに!」


「……はぁ?」


「やっぱり二十歳過ぎたし、私ってばもうフレッシュ感なくなってる?!」


「何を言い出すかと思えば……」



深いため息をつかれるのは毎度のこと、そうは思っても今の私にはなかなかキツい。
だって、若さは永遠じゃないんだよ瀬那。


いつか私はおばあちゃんになるんだから。
20代ってもっとイケイケだと思ってたけど、実際……ビキニはもう抵抗があるし。

10代の頃は気にもしてなかったスキンケアも、真剣に考え始めた。


あぁ……もし瀬那が若い子が好きって言うなら私、他の何を失ってもいいから若くいられる薬を下さいって魔女にお願いしに行く覚悟だよ。
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