南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )
「佑麻に散々ストーカーされる毎日が何だかんだ最初っから、俺は気に入ってたのかもって」
「ス、ストーカー……」
あんだけ頑張って想いを伝えてた私を、この後に及んでストーカー呼ばわりするなんて!と、横目で軽く瀬那を睨んでみても
瀬那は『言葉の綾だろ』なんて無敵な笑顔を繰り出す。ここでその笑顔はズルいよ。許しちゃうじゃん。
それに、もし……あの時の私が瀬那にとって本当にストーカーでしかなくても、今こうして瀬那が私の隣にいてくれる今は、あの時の私のおかげだと思うから。
ストーカー女の森坂佑麻、グッジョブ!
「そう思った時、高校生活の3年間って人生の中で多かれ少なかれ人の心に残るものなんだなって思って。
どうせこれから何十年って働くなら、そんな人の心に残る時間に、そいつらにとってはたった3年しかない大事な時間に、俺も関わりたいかもって思った」
瀬那の横顔に思わずドキッとする。
いつもより口数が多いせいか、まるで別人みたい。
初めて聞いた。
瀬那が教師を目指そうと思ったキッカケに思わず感動して涙が出そうになっちゃったよ。
何だろう……親心ってこんな感じなのかな。今すごく心がポカポカしてる。
「瀬那、大人になったね!」
「……佑麻に言われるとかなり複雑」
……え?どうして?
私に言われると、フクザツ?Why?