南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )


苦しい呼吸を整えながら見上げた瀬那となぜか交わらない視線。

それどころか……瀬那の視線は私の肩の向こう側?



「……これ、俺のだから。お前ら手ぇ出さないように」



次の瞬間、ベッと挑発するように舌を出して、ギュッと私を強く抱きしめながら呟いた瀬那に、


まさか!と、勢いよく振り返れば、


さっき生徒玄関前で会った男子生徒たちが「やべ、バレた!」なんて言いながらバツが悪そうに四方に散っていくのが見える。


落ち着き始めていた心臓が再びドクンドクンと脈打って、体はグングンと熱を帯びていく。


「え、ちょ!いつから見られてたの?」


「……さぁ?最初から?」


「じゃ、瀬那ってば!見られてるの知っててキ、キスしたってこと?」


そんなことってあり!?
だって、ちょっと深かったし……多分、いや絶対……吐息くらいは漏らしてた。無理、私もう恥ずかしくて埋まりたい。


「高校生相手に簡単に"可愛い"とか言われてっから、見せつけてやったんだろ。"大人になった俺"は妬かないとでも思った?」


「なっ……」


「大人げないって言われようと、俺も高校生相手には負けらんねーからな」



もう体中が燃えてるみたいに暑くて、不敵に笑う瀬那にクラクラする。



もうずーっとキス魔でいて下さい。
もうずーっと私を独占してて下さい。


任せて、瀬那♡


どんな不意打ちのキスにも耐えられる強靭な心臓を手に入れるべく、私……日々鍛錬します!!!!!


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