南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )


「で?会って早々、そんな浮かない顔してる理由を聞かせてもらおうかな」


「え?……嘘、浮かない顔してた?」



もう社会に出ている大人の女茉央ちゃんは店員さんにアイスコーヒーを頼むと、私に視線を戻してジト目で見つめてくる。


茉央ちゃんに会えたことが嬉しくて、私の顔はてっきり綻んでるかと思っていたのに……



「うん、佑麻ちゃんこの世の終わりって顔してるよ」


「こ、この世の……終わりって……」


「南くんと何かあったの?」


本当に久しぶりを感じさせない茉央ちゃんは、私のことなんてぜーんぶお見通しで、そんな茉央ちゃんに年甲斐もなく泣きつきたくなってしまう。



「なんか……最近、瀬那からの愛が足りてない気がして」



はぁ……と深くため息をこぼした私に、茉央ちゃんは両手で頬杖をつきながら「愛ねぇ」と少しだけ考える仕草を見せる。



「でも、そう言うものじゃないかな?常にラブラブ!なんて有り得ないもん。ましてや付き合いが長くなればなるほど、お互いラブラブでいることに抵抗でてきたりするじゃない?」


「全然!1mmも!何一つ抵抗ありませんけど何か」


「……ま、まぁ。佑麻ちゃんは、ね。私なんか最近 礼央は手も繋いでくれなくなったよ!昔はどこ行くにも手繋いでたのに」


茉央ちゃんは宮坂くんと今もまだ現役バリバリでラブラブなんだと思ってたよ。

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