南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )
瀬那に初めて自分一人で作ったものを食べてもらった日のことは忘れもしない。
すごい緊張して、何回も何回も味見したのに全然味が分からなかった。
だけど、いつもは素っ気ない言葉しかくれないあの瀬那が私の作ったものを食べて『すげぇ、美味い』って笑ってくれたとき、あぁ、これから毎日、この人の為にご飯を作ってあげたいって心から思ったんだ。
「よし、出来たっ♪♪」
チーズハンバーグとポテトサラダ、ミニトマトで彩りよく飾り付け。
うん、見た目はバッチリ。
オシャレなデミグラスソースに惹かれる私とは違ってケチャップで食べたい派らしい瀬那のために、ハンバーグにはあえて何もかけないまま。
ダイニングテーブルへと並べたお皿を見て、自然と緩む頬。リビングの掛け時計は20時を少し過ぎたところ、もうすぐ瀬那のバイトも終わる頃かな……?
瀬那が帰ってきたらお味噌汁とご飯を盛って……。瀬那からの『すげぇ、美味い』が聞けたら大成功なんだけど。
今日こそ!!
今日こそは、瀬那の腕の中で眠りにつきたい。
久しぶりに2人で穏やかな時を過ごしたい……。