南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )
目の前には大学のレポートと、試験の合否を待つだけになってしまった勉強道具の山。
佑麻がそばにいない……、その事実は俺から何一つのやる気を奪って簡単に空っぽにする。
『私は瀬那と二人で頑張りたいのに、瀬那はいつも一人で頑張ってる』
そんな佑麻の言葉がやけに胸に深く刺さって、佑麻が消えたこの部屋で俺の胸をズキズキと痛め付ける。
佑麻との未来の為に頑張ってきたつもりでいた。
勝手に、佑麻の未来も預かった気でいた。
俺が、俺の手で幸せにしたい。
そう思ってた。
だけど、多分……それは俺の独りよがりで。
佑麻は違ったんだよな。
本気で二人で幸せを築こうと思ってくれてて、俺に幸せにしてもらおうなんてきっと、いや……、絶対考えてない。
アイツは昔からそういう女だった。
なんなら『私が瀬那を幸せにするね!』とか言いかねない。
俺の立場はどーなるんだよって言いたくなるくらい、俺より遥かに男前で、
だけど、強いフリしてるだけで本当は誰より寂しがり屋で泣き虫な女。
そんな佑麻だからこそ、俺が誰よりも幸せにしてやりたい。
───この気持ちに嘘はないのに。