南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )
「……佑麻」
無意識に名前を呼んで、返ってこない返事を寂しく思う。
佑麻と長く居すぎて、アイツの馬鹿が移ったな、俺。今じゃ、完全に……、俺の方がアイツを好きな自信があるくらい。
……俺にはもう、佑麻が必要で。
佑麻がいない未来なんて、想像もつかない。
迎えに行くか……。
そんで謝って、抱きしめて、俺のそばに居て欲しいって伝える。
そしたら、佑麻はきっと許してくれる。
俺のところに帰って来てくれる。
……って、俺の考えはいつもどこかズルい。
佑麻がそばにいてくれるうちに、ちゃんと伝えなきゃならなかったはずの言葉を、なんで失いかけて初めて伝えようとしてんだ、俺は。
佑麻を繋ぎ止めることばっか必死で、肝心な佑麻の気持ちを、ちっとも考えてやれてない。
まぁ、俺とアイツの思考回路の構造は生まれつきはちゃめちゃに違うだろうし、完全に理解することはきっと一生かかっても無理だけど。
それを理由に逃げるのは、今回ばかりはもう許されない気がする。