南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )
「……っ、」
握りしめるスマホ。
佑麻とのメッセージを開く手が震える。
最後に届いている佑麻からのメッセージに、俺はやっぱり返信すらしていない。
……愛想つかされて当たり前だ。
佑麻との未来ばかりに気を取られて、佑麻との今を大事に出来ないような男なんだから。
「……試験に受かるまで、お預けだな」
ポツリ、独り言を呟いて自分に言い聞かせる。
【しばらく、距離置こう】
入力したメッセージを見て思うのは、
もし、距離を置いている間に、佑麻の気持ちが俺から離れたら……。
その時は、俺は佑麻の幸せを願って手を離してやることが出来るのか?ってこと。
震える手で送信ボタンを押して、大きくため息をひとつ。すぐに既読がついたのを確認して、バクバクと心臓は暴れる。
もしかしたら、佑麻も今頃……もう寂しくなってる頃かもしれないなんて、ほんのちょっと勝手に期待してたのに。
数分後、佑麻から届いたのは
【わかった】
なんて、たったそれだけ。
たったそれだけが、いとも簡単に俺を傷付けた。