素直になれない
病棟に戻ると電子カルテの前にいた横澤さんが私に気付いて駆け寄ってきた。
「砂川さん、あのっ、私が日向先生から聞いた時は砂川さんが休憩から出てから伝えてって……」
自分のせいで日向先生に怒られたのだろうと心配してくれたのだろう。そんな口ぶりだった。
本当はどうなのかは分からない。日向先生の言う通りで、今の話が彼女の嘘なのか、でも、と思う。
彼女の言い分はあながち嘘ではないかもしれない。
でも、こんな風に仕事に私情をはさんでくるものなのかな?
だとしたら、私は本当に日向先生にとことん嫌われてるんだな。
「あの……」
申し訳なさげな様子の横澤さんに「今から指示確認しとくね」とあっさりと答えて電子カルテと向かいあった。
「砂川さん、あのっ、私が日向先生から聞いた時は砂川さんが休憩から出てから伝えてって……」
自分のせいで日向先生に怒られたのだろうと心配してくれたのだろう。そんな口ぶりだった。
本当はどうなのかは分からない。日向先生の言う通りで、今の話が彼女の嘘なのか、でも、と思う。
彼女の言い分はあながち嘘ではないかもしれない。
でも、こんな風に仕事に私情をはさんでくるものなのかな?
だとしたら、私は本当に日向先生にとことん嫌われてるんだな。
「あの……」
申し訳なさげな様子の横澤さんに「今から指示確認しとくね」とあっさりと答えて電子カルテと向かいあった。