素直になれない
砂糖一つ
「砂川さん、ちょっといいかしら？」


早朝、出勤直後に師長に声を掛けられた時、嫌な予感がした。


師長の表情を見てすぐに良くない話のような気がしたんだ。


案の定嫌な予感というのは当たるもので、師長の話の内容は最近の私の仕事の態度についてだった。


「最近、何かとトラブルが起こっているみたいね。……体調でも悪いの？あなたがそういうのって珍しいから」


さすがに入社当時から師長として私達看護部をまとめてきた彼女は、今までの私の事を見た上で最近の状況に疑念を抱いてくれたみたいだ。


明らかな濡れ衣的トラブルばかりだとしても、中には私に原因があると責める人間もいる。


けれど師長はそう考える前に、私に真意を問うという行動に出てくれた。


心ない噂を鵜呑みにするんじゃなくて、私に何かあったのかと心配してくれている。


それが嬉しかった。

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