素直になれない
「う、嘘!」


「嘘じゃない。あいつの大学受験の時も勉強見てやったのは俺だぞ」


「は?」


日向先生の口から次々と信じられない話が飛び出してきて私は呆然とするばかりだ。


だって、嘘でしょ?


私はあの日から、全く会うことはなくて……。


それが恵都とは、そんなに多く連絡を取り合っていたなんてすぐには信じられなかった。



「そんな……恵都はなにも……」


何も言わなかった。


そりゃあ、元々日向先生は恵都の家庭教師だし、私には関係ないと言われればそれまでだけど、でもどうして……。


頭が追いつかない。


混乱する私を目の前にして、日向先生の口から更に爆弾が落とされる。


「言う必要はないと思ったんだろ。新しい彼氏ができて幸せそうにしてる姉に、元彼の近況を聞きかせたところで迷惑にしかならないからな……」


落とされた爆弾は、胸の奥深くまでのめり込んできた。


奥深くのめり込んできたそれを、受け止めることができず溢れ出てきたどす黒い想いが口から溢れてきた。


「なに言ってんのよ、」


「……?」



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