素直になれない
過去の恋を清算する……か。


確かに、こんな風にモヤモヤするのは日向先生がなにを考えているか分からないからだ。


そして、自分の想いも不完全燃焼のままだからだ。


まだ彼の事が好きなのかもしれないし、昔の清算できていない恋だからこんなにも引き摺ってしまっているのかもしれないし。


それならばいっそ、自分の中にある不完全燃焼の部分をさらけだしてみてもいいのかもしれない。


私だって、いつまでも昔の恋に縛られてるのは嫌だ。


枯れてるなんて思いたくない。


前に進みたい。


恋がしたい。


「綺麗さっぱり清算してこい」


「しばらく落ち込むかもよ、ウザイくらいに」


「別にいいよ。ヤケ酒今度は最後まで付き合ってあげるから」


「途中で捨てないでよ!」


分かった分かったと笑う真柴に、「もぅ、」と溜息を落とす。


「あ、そうだよ。合コンセッティングしてあげる。あんたが今まで興味ないって参加しなかったウチに来るMRとの合コンセッティングしてあげるよ。なかなかのイケメン揃いなんだよ」


「えー、興味ないって……」


「ウルサイ!男でついた傷は男に癒してもらうのが手っ取り早いんだよ」


無茶苦茶だなおい。


早くもスマホを弄りだした真柴を置いて、冷めたオムレツにフォークをつきさした。





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